2021年6月14日月曜日

皆生大会完走記④

  【2度目のロング挑戦で完走!皆生大会完走記④】


スタートに合わせて一斉に水しぶきが上がる――のは先頭集団の話。元々SWIMが苦手な上、バトルに巻き込まれるのを避けたい自分は、後方からゆっくり水に入る。

とはいえ、出来ることなら前の人の流れに乗って少しでもスピードアップしたい――。そんな甘い期待はあっという間に打ち砕かれた。

ほとんど練習をしていなかったSWIM。当然、去年のようなスピードが出るわけもなく、最初のブイを回って直線に出るころには周りにはほとんど人がいなくなっていた。

唯一の好材料は、今年、ここだけ練習してきたヘッドアップ。プールでやるとなかなか大変だったヘッドアップだが、ウェットスーツを着た状態の海ではびっくりするくらい簡単。去年はほとんどヘッドアップをしないで泳いでいたら、200mくらいあるコースの右端まで行った後、左端まで戻るという、とっても無駄な動きをしていた。

それが今年は50mおきに1回くらいの割合でしっかりと前を確認。ジグザグに泳ぐことなくまっすぐにコースを進むことができた。でも、その分、置いて行かれてしまっている状況も一目瞭然。ホントに回りに人がいない。

しかし、それは来る前から想定できていたこと。何より今日は暑くないのでBIKEで挽回できるはず。なるべく体力を使わないようにゆったり、ゆったりと泳ぐことを心掛けて、折り返し地点に到着した。タイムはちょうど45分。去年と同じかちょっと遅いくらい。水を一杯飲みほして後半のコースに入った。

去年同様、後半は右手にコースロープが見える。右側でしか息継ぎができない自分としては、息継ぎの度にコースロープが確認できる後半の方がタイムが出やすい。ひとかき、ひとかきで進む距離も伸びているように思う。何より、右手に見える景色が少しずつだけど変わっていくのが良い。

時々、同じくらいのスピードの選手と触れ合う。お互いSWIMが苦手なのだろう。ちょっと体が触れそうになるとすぐに距離を取ろうとするのが、いかにも邪魔し合いたくないという感じ。そうですよね~。ここまで来て意図しないバトルとか絶対嫌ですもんね~。と心の中で同意しつつ泳ぐ。

そしてようやく、最後の大きなブイを右に回り込んだ。最後の直線200m。ここはすぐに到着しそうに見えて、実は結構時間がかかる。海底が見えてきて、足がつきそうと思っても、実は全然深い。去年はこれで一度立ち止まってしまいロスをした。今年は、手が海底の砂をつかむまではペースを変えずに泳ぐことに集中する。

いい加減、いつつくのか苛立ち始めた時、右手の指先が砂にこすった。着いた!着いた!憂鬱なSWIMがやっと終わる。顔を上げて足をつく。波打ち際まで5mほど。そこから立ち上がり、ゴーグルを外す。平衡感覚が狂ってふらふらするが、よたよたと進んだ。まずは水を飲もう。

時計を見るとタイムは1時間27分。去年と同じくらいだ。後半けっこう巻き返したらしい。ミストのかかる中、トランジッションエリアに向けて走る――。気持ちだけでも。

トランジッションエリアは、当たり前だけどがらんとしている。置いてあるバイクは片手で数えられるんじゃないかというくらい少ない。ウェットスーツを脱いでBIKEウェアをもって着替え用のテントに入る。BIKEウェアに着替え、サングラスをかける。ウェットスーツは袋に突っ込んで、かわりに胃薬を3瓶持った。去年は大丈夫だったが、途中で胃がやられる可能性がある。ドリンクタイプの方が効きが良いように思っているので、少々重たいけれど利用することにした。後ほど、この判断に助けられることになる。

トランジットで費やした時間は5分余り。スイムのタイムは1時間33分28秒。923位じゃあ、そりゃ誰もいないよ。

そんな順位の自分にも、いっぱいの笑顔で応援してくれるボランティア、スタッフの励ましに手を振ってこたえながら、BIKEパートがスタートした。


2021年6月2日水曜日

皆生大会完走記③

 【2度目のロング挑戦で完走!皆生大会完走記③】


開会式終了後、前年同様車で10分ほどの所にあるドラッグストアに補給食の購入に向かう。

今回はBIKEの前半は30分ごとにカロリーメイト1本。後半はジェルに移行する予定。総じて2000kcal分を持つことにする。結構な量。

もちろんこれだけではレース中の消費カロリーに足りないが、前年ではBIKEだけで16Ⅼ!もの水分を摂取していたので、ドリンクやエイドで十分足りるだろうとの想定。

ちなみに、ロングのレースで必要な補給食の総カロリーはいくつか?という疑問に対して、様々な人が、色々なことを言っているので、どれが正解かは実は自分もわからない。

ただ、自分では、スイムは1時間あたり体重×10kcal。BIKEは1kmあたり体重×0.3kcal。RUNは1kmあたり体重×1kcalで計算している。

私の体重は73kgなので、スイムでは73×15=1095kcal。BIKEは73×0.3×140=3066kcal。RUNは73×42=3066kcal。総計7227kcalという計算になる。

補給食が2000kcalでは全然足りないと思われるかもしれないが、前年はBIKEだけで16Ⅼもの水分を補給した。スポーツドリンクの平均カロリーは、100gあたり20kcalくらい。それで計算すると、16Ⅼでは3200kcalものカロリーを水分から摂取できている計算になる。

そうすると体内貯蔵のグリコーゲン、エイドのスイーツ等の補給食を考えれば、消費カロリーを上回る補給が可能になる。あまり多く持ちすぎると重くなるし、このくらいが良いのではないだろうか。

さて、今年はちょっと奮発していい宿をとったので(その分、宿泊は土曜日のみ)、夜のビュッフェでもしっかりと栄養を補給。

3時半起床に合わせて目覚ましをセットして、9時に就寝した。


朝3時半―。レース当日。

真っ暗なのでわからないが、今日は曇りがちの天気との予報。去年と違って気温がそれほど上がらないのは完走に向けて好条件。

まずは朝食をとる。手巻き寿司にバナナ、ヨーグルトで結構お腹いっぱいになった。トイレをすませながら足元を見ると問題発生!右足の人差し指の爪が変な感じがすると思っていたら、なぜか爪がはがれかけていた。

何これ?なんで今なの?ちょっと茫然としてしまう。意味が解らない。

ただ、血が出ているわけではないので、とりあえず絆創膏ではがれかけも爪ごと指先をぐるぐる巻きにする。シューズの中で血だらけにならなければ良しとよう。このことだけで棄権するなんて考えられないのだから。

しかし幸先が悪い。

チェックアウトの準備もして(なぜチェックアウトするかは後述します)、車で会場に向かう。もちろん今年も近場の駐車場は4時過ぎに埋まっているので、最初からちょっと離れた駐車場を狙う。比較的スムーズに駐車場に入ることができた。

去年はゴール地点に荷物を預けなかったが、今年は着替え一式をゴール地点に預ける。今年もキネシオを貼ってくださる地元のカイロプラクティックの方のサービスをありがたく受け、施術を受けて肩の可動域を広げてからスタート地点に向かった。

それにしても気温が低くていい。去年はスタート時点で28度。日中は36度にまでなったのに、今年は午前7時の気温が21.5度。一方で、明け方に降った雨の影響か、湿度は100%となっている。雲が低く垂れこめ、ねっとりとした感じ。汗は乾きづらいだろうな・・・等と考えながら、スタート地点に向かう。

その途中、大会の計測を行っているネオシステムの清本社長をみつけ挨拶した。それにしても鳥取県まで来て社長自ら会場で計測作業にあたっていた。その姿勢に頭が下がる。9月に山形でのイベントでお世話になるので、その時はよろしくお願いします。

足の爪は気になるものの、何とかなることを願ってアップの為に海に入った。波は高くない。皆生のスイムは3kmなので、泳ぎの苦手な自分でも制限時間以内にゴールすることは難しくない。いつものレースの通り、後方からのスタートを選択する。

午前7時―。

時報と共に今年の皆生の夏が始まった。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

人生、曇り時々晴れがいい。