薪ストーブ歴10年の筆者が、雪国山形の住宅街で薪ストーブを使って分かったメリットとデメリットをお伝えするシリーズの第9弾。
今回のお題は「薪棚」についてです。
こちらも、薪ストーブライフには絶対に必要です。市販されているもの、DIYで自作するもの、大工さんに作ってもらうものなど、様々な種類があります。限られたスペースにどれだけの薪を置いておくことができるかを考えておかないと、後々大変なことになります。
1.薪棚の種類
2.薪棚を作る予算
3.見栄えも大事です
4.どのくらいの薪を置くのか
1.薪棚の種類
薪棚には、いくつか種類がありますが、最も簡単に手に入れることができる方法が、市販の薪棚を購入するというやり方です。
薪ストーブを導入する際にお世話になる地元のストーブ業者さんでは、必ずと言っていいほど扱っていますし、ネットでも安く販売されています。
これは、非常にお気軽でいいですし、薪が入っていなければ簡単に持ち運べるので、家の周りの薪棚のレイアウトを変えることもできるので便利です。
一方で、結構壊れるという話を聞きます。基本的には凹のカタチをしていますから、左右の端を井桁のカタチに積まないと、上の部分がだんだんと開いてきてしまいます。最後には扇のように上部が伸びた状態になってしまいますので、注意が必要です。
そのため、頑丈に作ろうと思った際には、単管パイプで作る方法があります。
これも、数多くのブログで作り方が掲載されていますので、詳しくはそちらの記事を参考にしてみてください。通気性もよく、非常に頑丈に作ることができるので、薪の積み方を気にしなくても大丈夫な点がうれしいところ。
一方で、これは好みが分かれるのですが、結構武骨な仕上がりになります。これを良しとする人なら、絶対に単管パイプがいいですが、そうでないなら次に紹介する木の薪棚をおススメします。
木の薪棚は、上手に作ればそれだけで庭の景色になりますし、きれいに積み上げられた薪と共に、インスタ映え間違いなしです。こちらも、DIYの方法が数多くネットに出ています。
2.薪棚の値段
では、それぞれどのくらいの費用が必要なのでしょうか。
まず、市販の薪棚は、60束用で9000円くらい。1棚(幅180cm、高さ150cm)用で1万5000円ほどで売られています。
自宅の薪棚が1棚か2棚で十分という人は、市販のものを使われるといいでしょう。
一方で、6棚とか10棚分の薪を確保しておきたい・・・となった場合、10棚=9万円~15万円とかなり高額になります。また、高さがそれほど取れないので、スペースも必要になります。
次に、単管パイプの薪棚ですが、こちらは1棚分の大きさで作る人はいないと思います。幅180cm、高さ200cm、前後に二列積むサイズを作る場合、3万円前後で完成します。
このサイズだと2.5棚分の薪を置くことができる計算になりますので、逆に割安になるかもしれません。
次に、木で作った薪棚です。これは本当にピンキリで、最も手軽に2×4材で作ったケースですと、単管パイプと同じサイズで2万円しないくらいで完成します。
しかし、防腐塗料やペンキも合わせて購入して塗る(数年に一度は塗り直しが必要)ことを考えると、ほぼ同じくらいのコストになります。
ちなみに、上記のコストはすべて自分で作った場合のものです。大工さんなど業者さんにお願いすると、大体上記金額の2倍はかかります。
3.見栄えも大事です。
薪棚は、その名の通り薪を乾燥させながら保存しておくものですが、この薪棚にキレイに薪が積んであるのとないのとでは、見栄えが全然違ってきます。
乱雑に薪が置かれた家の場合は、せっかく薪ストーブが設置されたこだわりの家なのに、なんとなく汚い感じがしてしまいます。
一方で、きれいに薪を積み上げ、さらには薪棚アートなんかをしている家は、とってもおしゃれに見えます。
特に薪棚の色が家の外壁に合わせて塗装された場合など、それだけで家の景色が一段上がる感じがします。
せっかく作る薪棚ですから、おしゃれにかっこよく作りたいですし、積み上げる薪もきれいにそろえて置いておきたいですね。
4.どのくらいの薪を置くか
さて、この項目が薪ストーブライフでの悩ましい問題の一つです。
薪ストーブは当然、薪が無ければ役に立ちません。しかも、その薪は乾燥していなければ上手に燃えてくれません。
そのため、薪棚に薪を積み上げて乾燥と保管をするわけなのですが、家の敷地には限りがあります。そこで悩むのが、家にどのくらいの薪棚を準備するか・・・です。
だいたいの計算ですが、2棚の薪棚を設置するのに、1坪の土地が必要になります。
2棚の薪は幅180cm、前後の奥行きが90cm、高さ150cmあれば大丈夫なので、薪棚自体が占める面積は1畳分なのですが、薪棚の前を人が通って薪の積み下ろしをするので、スペースとしては1坪かかる計算になります。
そうすると、4棚の薪を置くのには2坪。10棚の薪を収容する薪棚は5坪の土地が必要になります。5坪と言えば、幅は10m近くなります。
これだけのスペースを余裕で取ることができる家でしたらいいのですが、なかなかそうはいかないと思います。そうすると、何棚分の薪棚を準備するか考えなければなりません。
筆者の家は1冬に10棚以上使うのですが、例えば10棚の薪を一冬で使うとして、2棚分しか薪棚がなかったとします。その場合、5回に渡って薪を購入しなければなりません。
自分で薪を割って積んでおこうにも、そのスペースが無い以上購入に頼るしかなく、そうすると非常に割高になってしまいます。
逆に5棚分の薪棚があれば、その5棚分を自分で作り、無くなったら5棚を追加で購入すればいいので、かなり薪の費用を抑えられます。
なお、この計算は、推奨されている「薪は2年乾かせ」ということを無視した考えです。2年乾かした極上の薪を使おうと考えたら、そういう薪を購入するか、20棚分の薪棚を準備するしかありません。かなりハードルが高いです。
この点が、薪ストーブの抱える大きなデメリットです。エアコンや石油ストーブの場合、ここまでスペースについて頭を悩ませる必要はありませんよね。
薪ストーブを導入するにあたって最も重要なことは、良質の薪を安定して確保し続けられるかです。良質の薪とは、このブログではきちんと乾燥された薪を指します。
きちんと乾燥するには、それ相応の「時間」が必要です。夏に割った薪なら、使うのは翌年の秋以降にしたいところです。
しかし、そのためには多くの薪を保管しておく薪棚が必須ですが、薪ストーブを特集した雑誌や、ストーブの施工業者でその点を指摘していることが少ないと感じています。
乾燥が不十分な薪を燃やすと、煙道火災の危険性が高まったり、近所の方から臭いにクレームが来たり・・・と、いいことがありません。
薪ストーブ導入を検討されている方は、ぜひ薪棚についてもしっかりと検討されることをお勧めします。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
人生、曇り時々晴れがいい。
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