薪ストーブ歴10年の筆者が、住宅街で薪ストーブを使って分かったメリットとデメリットをお伝えするシリーズの第3弾。
今回は、薪ストーブで部屋を暖めるのは時間がかかるか?です。
結論から言いますと、めちゃくちゃ時間がかかります。
目次
1.薪ストーブで部屋を暖める仕組み
2.部屋を暖め始めるまでの時間
3.対流が生まれて部屋の空気が暖まる
4.まとめ:どういう使い方がいいか
1.薪ストーブで部屋を暖める仕組み
初めに薪ストーブで部屋を暖める仕組みについて述べてみます。
薪ストーブは、その名の通り、薪を燃やした熱を使って部屋を暖めます。なので、まずは何よりも先に薪に火をつける必要があります。
しかし、部屋を暖めるのに十分な太さの薪というのは、最初からすぐには火がつきません。最初は、木っ端と呼ばれる細い枝や割りばし等に火をつけて、その火が少し太い枝に燃え移り、さらに太薪に燃え移って・・・と段階を踏む必要があります。
そのため、まずは火をつける前に、炉内(薪ストーブの中)にキャンプファイヤーで使う櫓のように、火が燃え移っていくように木をくみ上げなければなりません。
慣れてくれば2、3分でできるのですが、この作業、特に初心者は時間がかかりますし、うまくいくとも限りません。
5分くらいかかって組み上げたところに火をつけてみたものの、2分後には消えてしまう。その後、もう一度やり直してみたけれどまたつかなくて・・・なんて経験をした方は、私だけではないはずです。
また、小さな炎がだんだんと育っていって、太薪に燃え移っていったとしても、その段階ではまだ部屋は全く暖まりません。
我が家は、勾配天井で最高点の高さが4.6mあるリビング16畳、ダイニング6畳、キッチン6畳の計28畳が最低単位になるのですが(普段はこのほかに、隣接する和室6畳と子供部屋×2の計12畳、さらに廊下、8畳、階段など計60畳ほどを一台の薪ストーブで暖めています)、この時点では、部屋の中の温度計はピクリともしません。。
2.部屋を暖め始めるまでの時間
太薪に火が付き、天板(ストーブの上の部分をこう言います)の温度が300度くらいになって初めてるのに部屋の中が少しずつ暖まり始めます。ストーブがいわゆる巡航運転に入ったタイミングです。ここまで早くて15分、通常なら20分、調子が悪いと30分かかります。最初に枝や薪をくみ上げる時間を考慮に入れれば、最短でも20分くらいはかかる計算です。
ストーブが部屋を暖め始めるまでに、最低20分―。
部屋が暖まるまでではありませんよ。部屋を暖め始めるまでにかかる時間が最低20分です。
これがエアコンや石油ストーブだと、スイッチを入れて2分くらいで最高出力で部屋を暖めてくれますよね。巡航スピードに至るまで30分かかかるなんてことはありません。筆者が学生の頃に住んでいた六畳のアパートの部屋は、20分もあればある程度暖かくなっていました。この点が薪ストーブの大きく不便なところです。
薪ストーブ愛好者にとっては、この不便さこそが魅力の一つでもあるのですが・・・。
とはいえ、年末年始の帰省から帰ってきた我が家の室温はたいてい5度~6度くらいです。火をつけて1時間たってもそれが7度~8度にしかならないので、さすがにその時は、薪ストーブだけではやっていられず、最初の1時間くらいはエアコン暖房を全力でかけています(汗)。
3.対流が生まれて部屋の空気が暖まる
さて、何度も言いますが、上記の時間は部屋の中が暖まり始めるまでの時間です。
このころから、ストーブの近くの空気が暖められて部屋の中に対流が生まれます。暖められた空気は上に行くので、最初はリビングの天井付近が暖まります。筆者の家では天井の一番高いところが4m以上あるので、床付近は全く暖まりません。
このために活躍するのがシーリングファンです。吹き抜けのある家によく見かけるシーリングファン。使い方のセオリーは、夏は下向きにして冬は上向きにするというものですが、筆者の家では真逆の使い方をしています。
リビングの天井付近にたまった暖かい空気を強制的に下に降ろして、床付近の冷たい空気と混ぜ合わせないと、とてもじゃないけれど部屋の中が暖まらないからです。
こうして対流が生まれた空気が徐々に部屋を暖め始めます。
帰省から帰って5度だった室温は、薪ストーブだけで暖めた場合、1時間を経過すると大体8度くらいにはなってくれます(泣)。まだまだ寒いです。
4.まとめ:どういう使い方がいいか
結局、室温が一般的な18度まで暖まるのにどのくらいかかるのか―。
我が家の場合ですと大体4時間くらいはかかります。もちろん、天井の高さや部屋の広さにもよりますが、4時間が1時間になることはありません。
一度暖まれば冷えにくい薪ストーブ。それは逆を言えば、「一度冷えると暖まりにくい」ことでもあります。
このため、薪ストーブを一人暮らしの方の家で、メインの暖房として使うのはおススメしません。エアコンや石油ストーブとの併用をお勧めします。
忙しくてほとんど家にいない―というご家庭も同様です。週末の楽しみにするのがいいかもしれません。
逆に、一日のうち、半分くらいの時間、家族の誰かが家にいる―という家の場合は、薪ストーブが大活躍します。1日24時間のうち、火を焚いている時間が長ければ長いほど、
薪ストーブのメリットが生かせますし、短ければ短いほど、短所が際立ってきます。
でも、一日中焚いているんだけど、薪ストーブで部屋暖かくならないよ―というお話をよく耳にします。
次回はそのあたり、薪の上手な燃焼方法についてお伝えします。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
人生、曇り時々晴れがいい。
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