2019年1月30日水曜日

薪ストーブのメリットとデメリット7 薪の調達の仕方

薪ストーブ歴10年の筆者が、雪国山形の住宅街で薪ストーブを使って分かったメリットとデメリットをお伝えするシリーズの第6弾。

今回のお題は、薪ストーブユーザーならだれもが悩む薪の調達方法です。

1.薪を買う
2.原木を買う
3.薪を作る
4.支障木の処理


1.薪を買う

最も手軽で、最も簡単で、そして場合によっては薪棚に積むことさえしなくてもいい方法がこの薪を買うというやり方です。関東や関西の大都市圏の事情は詳しくはわかりませんが、たぶん、全国ほとんどの場所で薪の販売業者がいて(もしくは配達圏に入っていて)、購入することができると思います。

しかも、業者さんによっては、薪棚に積んでくれますので、頼んでさえおけば自分では薪の準備を何もしなくてもいいです。

しかし、前回もお話した通り、薪の値段は年々上がっていて、現在は1棚1万9000円が相場と考えていいと思います(2019年現在。薪の長さ30センチ×幅1.8m×高さ1.5mと計算)。正直、結構高いです。

とはいえ、関東など太平洋側の場合ですと、冬晴れの日が続きますので(うらやましい)、1シーズンに使う薪の量もそれほどではありません。1シーズンで3棚~4棚しか使わないのであれば、十分検討に値すると思います。


2.原木を買う

薪を買うよりも安価に済ませたい場合に行う方法が、この原木を買うという方法です。この場合、原木とは、薪になっていない切り倒された木のことを言います。

造園業者の方ですと、行政の依頼で街路樹を切り倒したり、公園や学校の木を切り倒す依頼を受けていることがあります。それ以外にも民家の邪魔になった木を切り倒すこともあります。こうした時に出る原木は、通常は産廃業者のところに運んで処理料を支払って燃やしてもらうことになります。

こうした原木を買う場合、造園業者さんにとってもメリットがありますので(ただし、行政の依頼で切り倒した木は、行政の財産になりますので勝手に売買してはいけません。あくまで民間から頼まれた場合のみ売買してください)、売ってもらえるかもしれません。

費用は薪を買う場合に比べて半分以下~4分の1にまで抑えることができます。

ちなみに、原木は買わなくてもタダで貰えることもあります。筆者はこのパターンですが、自宅の庭の手入れをお願いしている造園業者さんから毎シーズン、かなりの量の原木をもらっています。業者さんにとっても、我が家でもらう量の原木を産廃業者で燃やすと数万円の費用がかかるので、ウィンウィンの関係になっています。


3.薪を作る

ただ、この場合ですと、薪を自分で作らなければなりません。原木を玉切りして、それを割って乾燥させ、そして薪にする・・・。手間と時間がかかります。

さらに、薪を作るには少なくともチェーンソーと薪割り用の斧を買わないといけません。人によっては薪割り機を購入することもあるでしょう。初期費用は1シーズンで買う薪の価格の数倍に及ぶケースもあります。

とはいえ、これも薪ストーブライフの醍醐味でもあります。薪を自分で作る薪ストーブユーザーは3回暖まるとも言われます。それは、薪を作るときに汗をかくほど暖まるのが1回、運ぶ時に暖まるのが2回、そして、冬に薪を焚いて3回。

なんといっても自分で割った薪は、それぞれに割った時の思い出もあるので(これ、結構覚えているものですよ。特になかなか割れなかった薪の場合は)、より深い満足感を得られます。

もし、こうした作業をするスペースがあり、薪割りをする気力体力があるようでしたら、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。


4.支障木の処理

最後に、これはどこでもできるわけではありませんが、支障木の処理という方法があります。

これは、川が増水したときに水の流れを妨げるおそれがあるとして、河川敷に生えている木を切り倒すものです。

筆者の住んでいる山形県の場合、県や国交省がこうした支障木の処理を業者に頼んで行っていて、それをタダで貰うことができる場合があります。量が限られていたり、手間がかかったりしますが、タダに勝るものはありません(笑)。

さらに一歩進んで、この支障木を自分で切り倒してくれる人を募集している場合もあります。先日、地元の新聞で山形県は業者ではなく一般市民が支障木を処理している面積が全国で1位という記事を読みました。それだけ薪ストーブユーザーが多く、また、作業できる人も多いということだと思います。行政にとってもタダで河川敷の管理ができるのは大きな魅力ですし。

しかし、筆者はこの方法はあまりおススメしません。

理由は、高さ10m以上になったような木を切り倒すことは、素人には危険が大きすぎると考えるからです。

木を切り倒すのは大変です。切り倒す方向、順番など様々なことを勘案しないといけません。木が曲がっていた場合、曲がりのテンションがかかっている方を切ってしまうと、木がはねます。割り箸を折るときにパキッとなって曲がったところが折れますよね。あれです。これが直径30cm級の木で起きてしまうと、簡単に大けがをする危険性があります(これで亡くなっている人もいます)。

また、切り倒した木が隣の木によりかかってしまい切り倒せなかったり、じゃあそのよりかかられた木を切り倒そうとしたら、さらにその隣の木が邪魔になったり・・・とうまくいかない場合も多くあります。

なにより、幹の部分はいい薪になりますが、それだけではなく、きちんと枝も処理しないといけません。

薪ストーブを使うと、メインの太薪に火が回る前に小枝を使って徐々に火を大きくするので、枝は非常に重宝するのですが、いかんせん、処理に時間と手間がかかります。

一度やってみてください。1本の木の枝を処理するだけで、結構うんざりします。しかも、支障木の処理は一定の面積の木をすべて処理しないといけないので、最低でも10本~20本の木を切り倒す必要がありますので、枝の処理だけで10日とかかかるかもしれません。

以上、様々な方法がある薪の調達方法。

あなたは、どの方法で薪を集めますか?


ここまでお読みいただき、ありがとうございます!

人生、曇り時々晴れがいい。

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