2019年1月5日土曜日

皆生大会惨敗の記録~初心者がロングの大会で失敗しないために~⑫

初めて出場したロングのレース「全日本トライアスロン皆生大会」の失敗をたどる記録⑫


前回までのあらすじ―。

ふとしたことから思い立った全日本トライアスロン皆生大会出場。奇跡的に抽選に受かり、わずか練習2か月で挑んだ大会。山形から1000kmを車にバイク他一式を積み込んで自走して会場入りした大会は、最高気温36度を超える灼熱のレースだった。


バイクがスタートした。バイクスタート時点で限りなく900位に近い順位だったので、これ以上落ちることはほぼない状況。最後尾から何人まくれるか―。とりあえず、100人は抜くことを目標に走り出す。

スタート直後は、直角コーナーが連続する住宅地の生活道路。そこから川沿いの土手にを走る。スイム終了時点では、体力的な厳しさはどこにもなく、また、風があたるので暑さもそれほどは感じない。

しかし、後に気象庁のデータを調べたところ、午前8時半過ぎには気温30度を超えていた。4000人いるというボランティア(選手の4倍以上の数の方がボランティアとしてレースに参加していた。衝撃の人数!)の方々が、交差点ごとに立っていてくれた。トップ選手が通過して30分以上経過していることもあり、だれてしまっている方もいらっしゃったが、この炎天下に早朝からスタンバイしているんだから仕方ないだろうと思う。

それでも、ほとんどの方が腹の底から大きな声で「頑張れー!」と声援を送ってくれる。心に沁みる。

ホント、皆さんがこんなに一生懸命に大会を作り上げてくださっているのに、僕なんかたった2か月ちょっとしか練習してなくて出場しちゃってごめんなさい。

何だか、そういう思いが先に来てしまって、一人ひとりに「ありがとう!」「暑い中ありがとう!」「水分とってね」などと、返事をしていった。
正直、30秒おきにボランティアの方から声をかけられるような状態なので、こちらもずっと声を出しっぱなし。でも全然辛くない。むしろ、そうやって声を出している方が、こちらも力が湧いてくるような気がする。

スタートから30分はほとんどそんな感じで声を出しながら走り続けた。

バイクの予定スピードは、時速25km。コース長が140kmなので、5時間で125km。大体5時間半でフィニッシュしたい。スイムを1時間半であがっているので、バイク終了時点で7時間。残りの7時間半をランにあてればどんなに最後歩いたとしてもゴールはできる計算だ。とらぬ狸の皮算用なのは十分承知しているが、決して無理なペースではないはず。

走り出して30分。サイクルメーターの数字はアベレージ28kmを差している。長距離のレースになるのでできるだけ最初は抑えているはずなのに想定よりも結構速い。

正確に言うと、25km位のペースで走っている感覚なのに、28kmが出ている。28kmのペースで走っていて28kmならいいんだけど、そうでない。

これは、レース直前に8000円という大金をはたいて(!)、タイヤを8年ぶり(!)に新しくした効果なのか、アドレナリンが出まくっていて思っている以上の力が出てしまっているのか・・・。きっとその両方だ。

なんにせよ、スピードが出ていることはいいことなので、とりあえずそれ以上抑えることもせず、逆に調子に乗ってペースアップすることもしないで、一定のケイデンスでペダルを回していく。ギアはなるべく軽く。フロントはインナー。リアも軽い方から4枚目から5枚目。ケイデンスは90~95を目安に。

そういえば、大学で初めてロードバイクに乗ったころは、110回転くらいを腰を浮かさずに回す練習をしていた。それってどういう意味があったんだろう。結果として110回転以下で回すことがなくなっていたな・・・。

この皆生大会、ほかのレースと大きく異なることが一つある。それがコースの交通規制が敷かれていないということ。通常ならば、バイクとランのコースは完全に封鎖され、信号もない状態になっているが、皆生大会の場合は、赤信号の場合は青になるまで止まらなければならないし、コースの途中には地下道を歩いて通らなければならないところもある。

そうした、ほかの大会とは違った面も楽しみながら、多くの人に支えられていることを心の底から実感するコースを走り抜けていく。今までトライアスロンでは、20以上の大会に出場してきたけれど、ここまで多くのボランティア、そして沿道の人たちが声援を送ってくれる大会は初めてだった。

そういう形で最初の1時間は順調に進んでいった。信号のある交差点にもほとんど出会うことが無く、交通規制なんてなくても全然問題ないじゃない・・・なんて考えていた。


これが甘い考えだったのは、50kmを過ぎたころからの思い知ることになるのだった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!

人生、曇り時々晴れがいい。

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