2019年1月19日土曜日

薪ストーブのメリットデメリット(4)薪の燃焼について

薪ストーブ歴10年の筆者が、住宅街で薪ストーブを使って分かったメリットとデメリットをお伝えするシリーズの第4弾。

今回は、薪の乾燥についてです。


目次
1.良い薪とは
2.薪の乾燥具合とは
2.なぜ薪が乾燥していないといけないの?
4.まとめ

1.良い薪とは

薪ストーブの燃料は言わずと知れた薪です。薪が燃えることで発生する熱を使って部屋を暖めます。ただし、薪には良い薪と悪い薪があります。ここが、石油ストーブやエアコン暖房との大きな違いです。だって、石油ストーブで使う灯油や、電力会社から送られてくる電気に、品質がいいとか悪いとかあります?

そりゃ、厳密には灯油には精製の具合であったり、電気も電圧が安定するしない・・・といった違いがあるかもしれませんが、基本的に今の日本で暮らしている限り、その品質のブレは考えなくておいいいものです。全国どこに行っても同じ品質のものが買えますし、それを前提に僕たちの生活は成り立っています。

しかし、薪には明らかな品質の違いがあります。この違いには、①木の種類による違いと②乾燥による違いがあります。

①の木の種類による違いについて詳細に説明すると、本が一冊書けるくらいかかるので、別の機会にご説明するとして、今回は薪の乾燥具合による品質の違いについてです。


2.薪の乾燥具合とは

一般に、含水率が20%を切る薪が良い薪とされています。
含水率とは、読んで字のごとし、薪の中に含まれている水分の量のことです。

含水率は、正確に測るならば、含水率計という機械を使う必要があります。金属の針を薪に軽く刺して薪の水分を測る機械なのですが、これも品質はピンキリで、3000円台のものから数万円するものもあります。

筆者は、3000円台の含水率計を持っていますが、あまり役に立っていません。
だって、いちいち測るの面倒なんだもん。

含水率計を持っていない、もしくは筆者と同じで測るのが面倒という人も、心配しなくて大丈夫です。含水率20%を切るような良質の薪かどうか、簡単な見分け方がありますから。

それは、給薪の時に確認できます。

ストーブの中で燠ができて、そろそろ次の薪を足さないといけないな・・・というタイミングで、薪をストーブの中に入れ、10秒以内に薪に火が付いたらその薪はOKです。
きっと含水率も20%を切っているでしょう。

20秒かかったら何とかギリギリ合格点です。本来なら来シーズン使った方がいい薪ですが、なかなかそんなに大量の薪を準備できないですよね。このくらい乾燥していれば、まずは快適な薪ストーブライフが送れると思います。

40秒以上かからないと火がつかない。もしくは、窓を薄く開けて強烈に中に空気を入れないと火がつかない薪。これはダメな薪です。薪ストーブで燃やすには乾燥が足りていません。この段階の薪だと、割ってから2か月とか3か月くらいだと思います。もし、薪業者から買った薪が火がつくまで2分以上かかるようなら、文句を言っていいレベルです。

部屋が暖かくならないだけでなく、煙突にタールが付着する、煙がくさい等、様々な不具合が発生します。


3.なぜ薪が乾燥していないといけないの?

では、なぜ薪は乾燥していないといけないのでしょうか。

薪の燃焼の仕組みについては次回以降に詳しく説明しますが、まず、わかりやすいのは、
薪が燃えるには薪の中にある水分が蒸発する必要があるということです。

濡れた紙にはそのままでは火がつかないですよね。紙が乾いてから火が付きます。薪も一緒です。薪の中にある水分がなくなってから初めて火が付きます。

このため、薪の中の水分が多い(含水率が高い)薪の場合、薪に火がつくまで多くの時間と熱エネルギーを薪の水分を蒸発させるのに使われます。液体→気体の状態変化には多くの熱エネルギーが消費されますので、その分、薪が燃えて部屋を暖めるはずだったエネルギーが無駄に使われてしまうことになります。

合わせて、薪が燃えると煙が出ますが、きちんと燃焼しないとこの煙の中に、燃焼しきれなかった可燃性ガスやタール分などが入ってしまいます。可燃性ガスは、いぶくさい臭いがしますし、タールは煙突の中に付着して煙道火災の原因になります。

煙道火災は、軽いものなら煙突の中が燃えるだけですが、ひどくなると本当の火事につながります。何より、消防に通報されたら(もしくは自分で119番通報したら)、多くの消防車が来て大騒ぎになりますから、次から薪ストーブを使うことは世間体的に厳しくなりますよね。絶対にやらないように注意しないといけません。


4.まとめ

快適な薪ストーブライフを送るためには、一にも二にも乾燥した薪を使う必要があります。木の種類による差はそれに比べたら小さい話です。

含水率20%を切るような乾燥した薪を作るには、2年は乾燥させないといけないと一般的には言われています。

でも、毎年薪は業者から買っている人や、薪棚に限りがあるので、2年分の薪を確保しておくのは難しいケースも多いと思います。

さらには、いい薪を使っているのに、うまく燃やすことができずにいる家庭も少なくありません。

このため、次回は上手な薪の燃やし方について解説します。


ここまでお読みいただきありがとうございます!

人生、曇り時々晴れがいい。

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